風のささやき

パズル

僕をこんな風景の中に
はめ込んだのは誰のどんな指先
きっと僕が苦しむことを知っていて
嗤いながらはめ込んだのだ

あるいはもう忘れられている
はめ込まれた瞬間には
僕はどんなパズルのピース
きっと小さくてぼんやりとした色をして

目を引くこともない
僕がここにいて苦しんでいること
心が叫んでいても
誰も気がついてはくれはしない

僕は僕の舌で傷口を舐めているしかなくて
自分の唾液で溶けてしまうんだ
傷口は爛れたまま膿んだまま
けれど僕はここで生きている

人知れず
けれど高ぶる思いを抱いて
その思いを黙らせる苦闘に
僕はここで生きている