風のささやき

夏の紙飛行機

陽射しに身を焦がし
空に解き放たれた
紙飛行機

子供の手を離れ
翼の追い風を
幸運の身震いとして

歓声のように飛んでゆけ
失墜するまでの刹那
ほんの僅かな泡沫の栄華を

いつからか僕は
旅の終わりを知る
傍観者の眼差しを持ち

地に落ちる紙飛行機
子供のため息を
コマ送りの白黒の
白昼夢のように見る