思い
心の 水彩絵の具を指先に 文字を風に書いた 胸に湧く思いを 残したくて いつか誰かが それを 読み解いてくれればと願う 柔らかな 息吹のような 風の便箋に したためられた言葉 吐息のように 唇に呼び起こして その幸いを思い 心は温まる 風のように 吹きすぎるだけの 自分が 誰かに結ばれてゆく 風は きっと 沢山の人の切ない願いや 愛しさを 解きほぐし 詰め込んだ手紙 隈なく届く 切手をはって だからその囁きには 耳を傾けたくなる 風の中の 透明な言葉を聞く 素直な 耳でありたい 言葉を書き足して 風に乗せる 遠くへ さらに遠くへと 巡る思いが 繋がれることを祈りながら