風のささやき

溢れ出す思いに

湧き水のように尽きることなく
溢れ出す思いが僕の中にあることに
僕自身が驚いてしまう嬉しさは
新鮮な夏の陽ざしを沢山含んで

小川のせせらぎのように流れ出す
沢山の祝福を感じながら
素直にあなたに流れて行きたいのに

初夏の木蔭の緑に染まり
その葉擦れの楽しいささやきで
一杯になり歌いながら

それがあなたに触ろうとするたびに
おずおずと止まる不自然さ
僕は息を飲み込むように思いを堰き止めて

堰き止められた思いが
あふれ出しそうになること
あなたを前にして僕は
俯いて何も言えなくなること

そうして僕は
ぎこちなく笑う
僕を風が嗤ったように思えた
すべてを見透かされたように

そうだ嗤えばいい
流れて行ってしまえば
きっとあなたを苦しめからと
その迷いから逃れられない僕を
自分への信は何処かに忘れてきた僕を

やがて溢れ出す思いで一杯になった時に
きっと耐え忍ぶことができない僕を

素直に溢れ出る思いの祝福を
感じ続けていたいだけなのに
それを止めようと忘れようと
足掻いている哀れな僕を