風のささやき

夏の河原

確かに僕もその河原を走っていたんだ
体一杯に溜まった力を吐きだすように
力一杯大きな声で笑いながら
楽しくて楽しくてしょうがない
その透明な足跡が消えていく
空には大きな雲が浮かんでいる

その声を聞いていた人の遠のく記憶
いつまでもいつまでも
顔を埋めていたい柔らかい背中
疲れて眠くなった瞼の裏には
洗い立ての石鹸の香りがしていた