風のささやき

湖底へ

どうしてか体に力が入らない
口の中に水が入り込んで来るように息が苦しい
自分の体が底なしの暗い湖に沈んで行くようで
冷たさが体温を奪いに来る
瞳も青く水に浸されていく
このまま冷たく暗い湖底に身を横たえたまま
眩暈がする長い生の残り
浮かび上がることもできずに過ごすのか
言葉代わりの水泡を湖面に吐き出すだけの
手も足もやがて湖水の草に絡み取られて
湖水の土となる

性質の悪い夢
歯ぎしりをしながら見ている短い間のと
信じ込ませてくれる何かが欲しい