風のささやき

サイレン

サイレンが鳴っている
この世のどこかで終わりが来たのだ
破たんする一つの日常があって
上がる断末魔の叫び

それを告げるサイレンの音に
けれど鈍感だ人々は
自分には降りかかることの無い
他人事の出来事のはずだから

今日もサイレンが指差して教える
哀しい出来ごとの始まり
それは街の作り笑いの大きな声に
飲み込まれているか細い叫びだ