風のささやき

青い涙

何時の間に僕はこんなにも
青い涙を溜めこんでしまったのだろう
堪える溜息よりも静かにぐっと
誰もが気づくことの無い胸の
鬱蒼としたその奥の方へ

朝露が溜まる様に
生きて行く日々の手のひらには
染み出してくる涙
それを飲み干すように求められる
朝の始まりの太陽は苦手で

笑っていてもいつの間にか
瞳に滲みだしてくる涙
君を見て泣いている訳では無いんだ
君といるから泣いている訳では無いんだ
ただ胸に留まれない涙が少し溢れる
僕はあまりにも小さな器だから

下を向いているのは
眩しい朝日を見られないからではない
瞳の涙に気がつかれないように
涙が瞳から零れ落ちないように

何時から僕はこんなにも
青い涙を湛えた湖となって
せめてその涙が僕を洗ってくれる
澄んだ物であればいい
すべてが水晶を纏ったように
透き通って見えてくればいいと

僕はまた手のひらに
湧きだし溢れそうになる
青い涙を人知れず飲み込んで
ニヤッと強がり笑って見せる