風のささやき

子供たちへ

右手にはありがとうの言葉
ぎゅっと握って歩くといい
力なく見えるかもしれないけれど
その手を開いて
ありがとうを言ってみて
みんなの顔に笑顔が咲くから
それで君も嬉しくなる

左手にはごめんの言葉
間違ったら
素直に謝り心軽くするといい
そうして君が言われたごめん
文句も言わずに受け取ってあげて
その人も苦しんでいる
許せば心も慰められる

口には優しい真っ直ぐな言葉
君の心の一番の武器にして
毎日磨いて心に確かに届くように
沢山の人が幸せな気分になれる

人の良いところしか見えない
目を持って欲しいな
人のことが好きでしかいられなくなるから
人と人との間にある暮らし
きっと楽しいものになる

耳はすべての言葉や音に開いているといい
心を込めて聞けば
本当に無数の温かな音色で
この世界は充ちている
君の知らない言葉が
遠くまで君をきっと運んでくれる

鼻では嘘の匂いを嗅ぎ分けて
遠く離れて進むことを覚え
両足では怠け心と
欲しい欲しいという思いを蹴飛ばして

頭にそろえる沢山の知識
君が自由に利用できる図書館で
その知識で君の生き方
輝かせるといい

そうして一番
扱いの難しい心
知らぬ顔を次々と見せる
けれど恐れずに
勇気を持ってのぞめばいい
自分を信じて晴れやかに
囚われないようにして

上手く行くことも行かないことも
すべてが君の栄養になる
やがてたくさんの人に分け与える
君の大きな心の力

きっと何も恐れることはない
君として進めればそれで良い