風のささやき

語り部

祖母は語り部
布団の中で静かに呟く
言葉は和紙の擦れる音

その物語は穏やかに
闇にも僕を眠らせる
正しい明日への種を蒔く

いつしか僕も
その言葉継ぐ語り部
子供たちの耳元に
祖母の口調なぞる
僕の少しの追想も交え

心をこめて君たちの
明日の糧と
なるように