風のささやき

散り行く春風の中の桜
拾い集めて余すことなく
首飾りに編み白い胸に
届けたいあなたの

散り行く僕の胸の
思いと同じ数だけの
豊か過ぎる涙のような幸い
飽きることなくあなたにと湧く

花びらの一つ一つの上には
拙く刻んだ文字の震え
言葉には尽くせない
終わりないあなたへの手紙

洋梨のように香る
楽しそうな口元の微笑
頬杖をついてあなたが
目を細めた一瞬は

長くそこに時間が
憩うことを願う陽だまり
目を瞑り有らん限りに僕が
あなたを思いあなたの幸を願う

豊かさは桜よ
思いを尽くした時に花となり
散り行くもその果てに未練無く
ただ風のただ雨の吹きつけるがままに

春風が舐めてきたあなたの暖かさ
胸に抱いて愛しさを
募らせるばかり
息を止めても思い膨らむ僕は

あなたとの出会いの幸い
未練なく花付け散らすほどに
思い尽くすことができるだろうか
その瞬きに映らない僕だとしたならば

時満ちるまで感謝の思い湛え続け
花付ける喜びの桜色
青空の深みに散らすほどに
強くあることを願う・・・・・