風のささやき

手品師

その日の僕の心の患いを
知らずとも友人が
笑い飛ばしてくれた
他愛の無いことと

確かにその通り
その通りだと頷いた
心が一瞬にして軽くなる
憑き物が落ちるとはまさにこのことかと

鮮やかな手品師のような友人
お酒を飲みながら僕は
涙ぐみそうになりながら
笑い声をたてていた