風のささやき

痩せ我慢

今にも泣きそうな顔をして
痩せ我慢をしている子供
悪戯に意地悪な言葉をかけて
泣かせてみたい気もするが
必死に我慢している顔が
可愛らしいのでそのままにしている

痩せ我慢をしている子供よ
口を一文字にして
そんな痩せ我慢は僕もしている
歯を食いしばって
それが報われるか
報われないかはわからない
何回も繰り返し繰り返し

痩せ我慢をしている子供よ
髪の毛も乱れたままに
それはこれからの沢山の
痩せ我慢の一つに過ぎないと
人はきっと痩せ我慢の内に
死んで行くのかも知れないと

そんな痩せ我慢の間にもこうして
お前たちのことを眺めながら
笑っていられる時間あることは
痩せ我慢のし甲斐もあって

痩せ我慢の練習をしている子供よ
いつしかその痩せ我慢を
微塵にも感じなくなる強い心を持って
確りとした足跡をつけてくおくれ
獅子のように悠然と
父の歩みの遥か遠く先まで