苦き日
僕のまだ知らなかった 苦しさがあると知る日は雨が降る 重さを増して行く心は冷たい鉄球 湿ったベッドに僕の体を押し付ける 僕はまたうつ伏せに動けなくなって くもの巣のように迷いが巣食う 働かない頭で考えている 考えれば考える程に混乱をして 頭から離れなくなる言葉は呪いの呪文 味わっている苦しみは とても苦く舌を噛み切りたい 行き詰りを見せる僕の心に 沸々と湧く怒り そこにいない相手への 実体の無い世の中への けれどそれは続かない やがて冷たい刃となって 矛先は自分の心臓へと向かうばかりだ 僕の手が震えだす 僕の暮らしのすべてが 見込み違いのように思われてくる 僕は駄目だ 僕は駄目だと 頭の中で大きく誰かが吼えている 僕は駄目なのか 駄目なのかと口の中で呟いている こめかみに血豆が出来ている こんなにも時間が 長く苦しく過ぎて行く罰を 受けなければならない 僕は何をしでかしたのだろうか 寂しそうな母の顔が浮かんで 青白く消えた