風のささやき

踊る枯葉に

枯葉が明るい舞台で踊っている
まるで今日の日のために
一年を過ごしてきたかのように
 
晴れて自由となった身で
疲れることを知らずにいる

思い思いの衣装に身をつつんで
クルクルとつま先立ちで

そうだね
梅雨の雨に打たれながらも
夏の陽射しを受けながらも
二百十日の嵐に吹かれても
精一杯空に張り付いていたからね

秋晴れの穏やかな今日は
君たちへの贈り物
その柔らかな風が
君たちの手をとり誘うよ

うっとりと舞っているがいい
それが長くは続かないものだと
分かってはいても

公園の芝生には
満足げに倒れこんだ
枯葉が重なり横たわっていた

どこかでは枯葉を
弔う焚き火があがっていた