風のささやき

僕の業に

僕は 欲張り過ぎたのだろうか
光るものをたくさん ためこもうとする
悪戯な カラスよりも

蓋を開ければ いつからか がらくたな思い考えで
心は 一杯になってしまった

ためこんだ思いは 思いごとに
泣き言を繰り返し 騒がしい

屁理屈集めた 考えは
烏合の 学徒の 禅問答

僕はもう どれが要らないもので
どれが 大切なものなのか
その 見極めさえもつかずに

欲張りの 僕の業
そのなせるわざと 攻められるのならば
それは甘んじて 受け止めるしかないのだけれど

僕なりの理屈で 僕は僕なりに
真面目にやってきた そのつもりだけれど
それが悪かったのだと 言われれば
それを 甘んじて
黙って耳を 傾けるしかないのだけれど

僕は 欲張りすぎたのだろうか
その結果が 冬の夕暮れ
一人 放っておかれる
疲れきった この後姿なんて

せめて誰かが 石を持ち
お前の業だと 僕を撃てば
それなりに すっきりもできるだろうに

頭から流す 赤い血で
両手を染めて いつまでも
涙を流すことも できるだろうに

僕は 放っておかれている
冬の夕日に 一人
影さえも 僕に従うことを嫌がり
誰からも そうして僕自身からも
やり直す生もなく 余力すら無く 諦めきって

これが 業の報いだとしたら
それは それであまりにも むごい仕打ちだと
吐き出す言葉は 自分に戻る
天へ向かって 吐いた唾

もう僕は 金輪際
心の 騒がしさには
無関心になる 能天気な人の波に
せめてもは 揉まれるようにして