風のささやき

十三夜

空の高みの十三夜
丸みを帯びた暗がりの猫の目

僕を見つめて離さない
真っ直ぐでやさしい瞳

月の雫はその目から
欠伸にこぼれた
ミルク色の涙

海原に広がり
とめどなく明るい日本海

しまったと思いながらも
猫の目は
そんな粗相の
素振すらみせず

僕を眺めたまま
空の奥の方で
すましている