祈りの夕べに
打ち捨てられた教会の 悔しさを語る壊れかけた壁に 夕日がまた赤いベールをかけて 優しくその口をふさぐ もう何も語らなくていいと その人はいつでもお前の傍らで お前の気持ちとともにあるからと ○ どこかへと消えていった 教会の祈り 人々の胸を熱くさせた思いは 星々の世界 夜のしじまに清められ あなたの胸に抱かれて 眠りについているのだろうか 赤子のように安らかな思いのままで ○ 今日はあなたが生まれた日 今宵 あなたが思い描いたような 人の世の夜なのか あなたの答えを聞いてみたくなります ○ 僕はその夜の食事をまた 大切な人と楽しく食べている 僕が味わうこともない あなたの舌にどんなにか苦かった 人の世の最後の食事を口に あなたの祈りは時間を超えて高められた 教会をいたわる夕日よりも もっと大きく暖かな手で 独り歩く僕らの背中を あらん限りに思いやって