風のささやき

祈りの夕べに

打ち捨てられた教会の
悔しさを語る壊れかけた壁に
夕日がまた赤いベールをかけて
優しくその口をふさぐ
もう何も語らなくていいと
その人はいつでもお前の傍らで
お前の気持ちとともにあるからと

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どこかへと消えていった
教会の祈り
人々の胸を熱くさせた思いは
星々の世界 夜のしじまに清められ
あなたの胸に抱かれて
眠りについているのだろうか
赤子のように安らかな思いのままで

  ○

今日はあなたが生まれた日
今宵 あなたが思い描いたような
人の世の夜なのか
あなたの答えを聞いてみたくなります

  ○

僕はその夜の食事をまた
大切な人と楽しく食べている

僕が味わうこともない
あなたの舌にどんなにか苦かった
人の世の最後の食事を口に
あなたの祈りは時間を超えて高められた

教会をいたわる夕日よりも
もっと大きく暖かな手で
独り歩く僕らの背中を
あらん限りに思いやって