風のささやき

朝の光に

ごらん
光を遮ろうとする
厚いカーテンさえも
朝の光に縁どられて明るい

また朝日が昇るのだ
暗闇にかたどられた顔に
バラ色のひびを入れて
重たい眠りから体を起こせと

答えの出ない問いにも
きっと何かしらの答えが待っている
まだ痛む傷も
きっと癒されるときがある

毎日 訪れる朝の
長く伸びる光の指先は
僕の瞼を明るませて
また歩き出すように促す
まだまだ伝えることがあるのだと

開いた扉の向こうには
明るい陽射しがある
その光を素直に浴びて
ゆっくりと歩けばいい
その日の出来事を
精いっぱい生きれば良い

朝の光が瞼の裏側を
橙に明るませる
目を閉じていても
眩しすぎるから
また歩き出そうと思う