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風のささやき

寂しさの種

寂しさの種を
歯の奥で噛みしめ
力を込めてぎりりと砕く

錆びついた朝の酸っぱさも
壁に頭を打ちつける苦さも
頬を伝うしょっぱい涙も
一息に飲み干し
すべてを味わいつくす

海老のように背骨を丸め
鉛になった骨の重さにうめく
締めつけられて胸が裏返り
内側に潰れてしまいそうな怖さも
一息に飲み干し
すべてを味わいつくす

いつしか嵐が襲おうと
微塵も動じることなく
すべてを僕の強さとする
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