風のささやき

クリスマスの夜に

賑わう街に惹かれながら
家までの道を歩く
明るいクリスマスの夜

白い吐息は
生まれたての星雲のように
空をさすらい
かざした手から逃れる

すっかりと
葉を落とした街路樹は
屋台骨となり
冬の夜空を支える
出番を待っていた星々が
明るく笑う

いつまでもそこで静かに
慰めを唱え続ける人の夜は
北風も耳元に柔らかくする

胸の底から温かい
力強い言葉に満ちて
何のはかりごともない
その炎へ悔いも恨みも
薪のようにくべてしまう
一年に一度の心の大掃除

やがてすべてが
静かな眠りに誘われて
横たわる肢体を快く休ませる
今宵 安らかな眠りは全てのものに
流れ星の軌跡に祈った