風のささやき

初夏の空に

羊雲の群れから
一人だけはぐれた小さな雲が
ずいぶんと早く
真っ青な空の背を走る

今すぐにでも泣き出しそうに
悪戯な太陽に黄色く
光らされたりをして。

走っても走っても
いつまでもたどり着けないな
空の端。