風のささやき

夏休み

林の中を一緒に走る
陽射しがキラキラと
短い服の手足が
掘り起こしたばかりのように
真っ黒だった夏休み

冷たい流れには
火照る手足を冷やし
魚を追った川の浅瀬
金や銀を筋引き泳ぐ
俊敏な早さにもついて行けた

短く刈った髪は
若草のように
うっすらと青い汗を流し

大きく育った西瓜が
心地よい風に
緑の昼寝をする真昼どき

てんとう虫のオレンジが
星を背負い上る空を
一つかみの雲が
梢をかすめるように飛ぶ

その繭のような白さが
もっと遠いところへ
呼んでいるような気がして
青い稲穂の間から
濃い緑の山の上の
高い空見上げた
夏休み