風のささやき

弱い炎

あまねく散らばる悲しみは
星の数よりも
そのすべてを抱きとって
この胸の中であたためられたら
けれど僕の炎は時折は弱く
隙間風にも吹き消されそうになる

誰をも暖めない炎ならばせめて
夕闇近いあなたの窓辺
しのび寄る闇を光りに洗い
あなたの唇の動き
誰かの名前を呼ぶときの
横顔を優しく染めていたい