風のささやき

雪の街に

生が悲しみの日
春の予感のまだ遠い街に
静かに雪は降り積もり
僕は泣いていたかった
悲しみを一身に集め
流れ出るがままの涙で

街に溢れる雑音には耳をふさいで
魂の感じるがままの痛みを
感じていたかった
素直な自分の時間に
身を浸していたかった
真っ白に街を染めてゆく
雪のかたすみに守られながら