風のささやき

四月

陽ざし穏やかな明るい街を
怒りがからみつくいくつもの顔や
終わった失敗ごとを胸に
足どり重くとぼとぼと歩く
自分があまりにも醜く思え

衣服を引っぱる風にまかせて
遠い異国の麦畑や
空色の水が波打つ港
日に焼けた人々が笑う街角を

誰にも煩わされずに
一人 歩きたいと思う
茫々と心に風を吹かせて