風のささやき

都会の公園

わずかばかりの
緑に囲まれた
どこからか集まって来て
都会の公園には
何の重なりあいもない人々が
ベンチの上にちがう視線で
ビルの突き出た空を眺めている

与えられたそれぞれの
生の重さに放心するように
消化しきれない
退屈な毎日の
答えを捜しあぐねる
それぞれの思いを額に
今日も不機嫌な朝に目覚めて
歩き始める

時には凶器のような考えで
人々を切り刻みながら
日に日に何か
痩せ細りゆく体を引きずって
生活に切り売りする
魂の断片をもはや
取り戻すすべをなくしかけて

幸運がとりこぼす答えが
落っこちていないものかと
下をむきながら
またこうして
ひととき溜息をつくために
この公園に集まるのです