風のささやき

守る夜

胸に閉ざされた思いが
闇に放たれ 高鳴る
涙が頬を伝い
胸が痛むときに

心をさらう夜は
しかし力を費やしているのだ
予期せずにいた
多くの独白にさいなまれ
悲しむ疲れた心臓に
手をあてる闇は
寂しいうめきも見守る
誰よりもかばう者

その懐に抱かれて
自分と向き合えば
音を立てながら通り抜ける
小さな体には有り余る苦しみ

それは心が
広がりゆくとき
新たに生まれ変わろうとして

目をそらさずに
傍らから離れない
闇でかばってくれる
深い信を夜におけ