風のささやき

港町の日曜日

魚くさい日差しに
焼かれる港町の日曜日
潮風に乗る鴎を
黄色い太陽が照らし
白い船が青い海原に
光る航路を引いて行く
岬の方には入道雲が湧いて
空の銀の彫刻になる

市場を彩る魚の目
漁師の腕に刻まれた入れ墨
海辺に遊ぶ日に焼けた少女の
黒い瞳の横顔が夏の印象に残り
僕は仮そめの
日に焼けた皮膚をむいて
白い足と手とでまた
歩いて行くことになる