風のささやき

旅先で

一人 立ち尽くすには
あまりにも広すぎる地平
心に湧いてくる思いは
あまりにも頼りなげにはかなげに
草も鳴らせない風にも飛ばされて

雲よりもとどまることを知らない僕は
澄んだ空に透きとおり このまま
空の破片になってしまいそうで

まぶし過ぎる陽ざしに
心を許して抱かれれば
とめどなく流れる涙

呼んでみるあなたの
名前の繰り返しに
唇は奪われている