風のささやき

薔薇園の印象

重ねる花びらの奥に
秘めた色彩を隠し切れず
太陽にさらけ出す薔薇よ

朝露に濡れた赤や黄色の
花園の甘さに
蜜蜂たちは満足して
その一生を終える

何を待ちわび じらすように
ゆっくりと花びらを落とす
花占いの少女のように
夢見心地に 一枚 一枚

きっと君たちの
芳しき言葉を
天使たちが聞いている
君たちをやがて摘み取り
天の間を飾ろうとして

その日までの純潔
いばらの鎖に身を固め
差し伸べる僕らの指先には
軽い痛みの血を流すのだ

そ知らぬ顔の可憐さに
夢見心地で
いつまでも空を見上げて