風のささやき

石畳の広場に

照りつける夏の日差しを
潤す噴水のそばに
腰掛ける僕の視線は
青空の先になにも探せない
悲しく疲れている

うなだれて
弱い目線を落とすと
石畳の間から
踏まれた痕もある
白い花が頭をもたげ
ゆっくりと風に揺られている

こんな狭い所からも
陽ざしを求め
伸びて行こうとする
小さな花よ

ひたむきな一心さと
素朴な祈りとは
僕が心から欲するところだった