風のささやき

あなたへ-詩を

僕の詩を
あなたの胸の片隅に飾らせてください
吐露することのできない胸の内深く
せめぎあう世界に身をさらしては
傷つき取り出してくる言葉から
僕の魂を感じとって
あなたの胸の中に
抱きすくめてください

そうして
悲しみにとらわれてあなたが
一人もの思いに沈む日には僕の詩を
あなたの 静かな伴侶にしてください
(僕の魂のかなでる調べを
 そこに刻みつけようと思うのです)
あなたの胸の祭壇に
貧しい言葉ですが一心に
熱い祈りを捧げていたいのです

星も瞬かない
深く冷たい夜の底
誰にも知られない痛みと幻想に
狂おしく悶える
そんな孤独な魂にこそ
詩は震えるのです

昼間の間中は
騒がしい群衆に踏みつけられて
足跡だらけになっていた言葉が
月の光の静けさに洗われ
生命を新しく取り戻す時に
あなたへと流れて
あなたに触れようとする調べを
あなたの心で噛み砕い下さい