風のささやき

一日

一日は今日も
呼び止めておくすべもなく終わり
いつものように夕映えが
僕の机の上で波打っている
ー夕日はくるりくるりと
 窓から落ちる

僕の手には今日もつかめずにいた
時折 頭の中で
キラリキラリと光る
大切なシグナルを
ー日々少しずつ
 小さく遠のいていく輝き

何もないんだと言えば
ほんとうに何もなくなる生活から
一つ一つ拾い上げて行く
小さな渇き 傷跡を
そうして紬だして行く
僕の生の色彩
声の震えの音階を