風のささやき

柔らかい緑の草地が続く
広い地平の
遠く
枝を大きくひろげて
緑に葉を繁らせた
木が小さく見える
その上には
音もなく
白い陽射しが降り注ぎ
トパーズ色の風が
サラサラと流れている
小鳥達はその中で
楽しそうな営みを
明るい声で歌っている

僕は
放心したように
その光景を眺めている
少しうつろな目で
ひざまずいて

(僕はあそこまで
 たどりついて
 あの風の中に
 身をひたしていたいのだが
 いつまで歩いてもあそこには
 たどり着けないでいる)

優しい風が流れている
遠く
僕はあそこまで
たどりつきたいのだが・・・・・