風のささやき

ある日

寂しい夕暮れ時には
またあなたの面影を
思い出してしまう
愛は寂しみだろうか

秋の夕日が
また一日を
終わらせようとする
冷ややかな風景に
夜へと傾く大地から
すべってしまいそうな
不安定な心の形象が
あなたを求めるのならば
愛はかたわな叫びだろうか

愛する気持ちも
また移りゆくものだと
知っている心が
あなたを求めるのならば
愛はあなたを
食い物にする執着だろうか

悲しませたくないあなたを
悲しませる愛ならば
あなたの心を横切らずに
僕は一人で過ぎていけばいい
苦しい祈りを口に
透き通ろうと
もがけばもがくだけ
つらさに耐えかねる
愛は苦しみだろうか