風のささやき

夜中に僕は
悪い夢を見た。

真っ暗な
窒息しそうな
狭い部屋の中で
幾人もの人が
黒い花をつけた薔薇の刺に
絡みつかれて
赤い血を流しているのを
その中には僕の姿もあって
苦しそうに顔を歪めていた
ああけれども
他の人々は
傷口から赤い血を流しながら
何やらニヤニヤと
嬉しそうに笑っていた
やがては血を流し尽くして
青白くなって
倒れてしまうまで
僕は一人
その痛みを痛烈に感じて
茨の中から逃れようともがき
しかし茨は
ますますと体の奥深く
僕に食い込んできて
僕を放さずにいた・・・・・

そこで僕は
体を起こすようにして
目を覚ました。