風のささやき

九月

僕らの夏が飛び去ってゆく
時間という羽を伸ばして
僕らにはそんな羽ばたきを
止めるすべもなく
ただ一人一人
夏の終わりの海の
遠い空に
去ってゆく風景達を
見送っていた
僕らの足下をひたす
灰色の波を
単調に感じ始めながら