風のささやき

一人で
干し草の山に体を投げ出して
夢を見ていた
僕はその中に深く沈んで
涙を流したまま
死んでしまおうと思っていた
泥にまみれた牛が
尻尾でうるさそうに
蝿を追いながら
僕の近くをのっそりのっそりと通り
そうして懐かしそうな目つきで
僕のほうを眺めていた
その牛の足下には
小さな花が咲いていた