風のささやき

店先に伏せて飼い主待つ犬と目が合う期待に沿えず悪いね

その夜は冷たい雨の降る夜でした

少し遅い時間に到着して家に帰る途中
いつものスーパーに立ち寄りました

そうして買い物を終えて
家に帰ろうと傘を開きながら歩き出すと
伏せをした小さい犬と目が合いました

犬は一瞬僕の方を見て
期待した飼い主ではないと
直ぐに分かって目を逸らしました
僕の方が犬をじろじろと見ていたのですが

犬も早く帰りたかったのでしょうか
行儀よくしているのですが
人が出てくると首をあげて
そちらの方を見ます

その様子は可愛らしく
そうしてきっと飼い主が大好きなことが
想像できました

期待に沿えずに悪いことをしたという気分で
僕は犬の横を通って家に帰りました

← 短歌の一覧に戻る