風のささやき

散る桜踏みしめ歩く人の群れ無言の瞳は何に注がれ

風が舞うたびに
桜の枝から花びらが
アスファルトの地面に舞い降りていました

桜色に染まる道を
けれど人の群れは黒い足跡を残し
うつむき無言で歩いて行きます

そのどこか思いつめたような視線は
地面の上に散る花びらの向こうの
何に注がれていたのでしょう

どこか暗い目つきのものも多く
首筋に少し寒いものを感じていました