風のささやき

仮初めの世に物事は去り急ぐ桜春風涙も泡沫

すべてが移り変わっていくことを
年を重ねる毎に実感として感じています

大切に思っていたことが
いつの間にか形を変えて
そうして自分の中でもこだわりを無くして

小さな頃に大切にしていた物は
どれぐらい今の自分の手元に残っているのか
無くしたり壊したり

自分の手の中からすべてが
急いで離れようとしているかのような錯覚を覚えます

桜も吹いてくる春風も
それらが消えていく物と寂しく思う涙も
すべてが泡沫の夢のよう

春風を握り込んだ自分の手のひらを
開けば何も無いことを
まざまざと眺めます