風のささやき

春風や動けぬ木々も緩みたりその優しさの謝辞に芽吹いて

とある暖かき昼下がり
外で時間を過ごしていました
何を考えるでもなく木々を見ていると

冬の間冷たくとも動けないでいた
木々にとってはどんなに春風の暖かさが嬉しいだろうと
そんな思いが湧いてきました
いつもの勝手な感情移入なのですが

そのお礼ではないのでしょうが
物言えぬ木々は勢い良く芽を吹いて
それをまた風が舐めて渡り
緑になった気分のいい風は
お零れのように僕らに届きます