風のささやき

たおやかな陽射しを翅に赤とんぼ澄み切る風に鎮魂の儀

トンボの翅に乗るのは
穏やかな秋の陽射し

それが澄み渡った高い空を
飛び回っていると
何か不思議な儀式のようです

まるで自分の離れてしまいそうな魂を
この世に押しとどめようとする
鎮魂(たましずめ)の儀式のように

一緒に空を見る子供は
まだまだこの世に足をつけたばかり
楽しそうにその様子を眺めて

大人の僕だけが
魂が自分の中に少し
納まったように思いました