風のささやき

吠えやまぬ犬は惜しむか逝く春をそれとも夏の隣に酔うか

とある日のこと
朝の内からどこかの家の犬が
ずっと吠えていました

普段はあまり聞かない声なので
なんだろうと思いながら
ダラダラと寝ていたのですが

暦の上では夏を迎えた時分
春を惜しんでいるのか
それとも夏を喜んでいるのか
きっといずれにしろ
風流な犬なんだと

布団をかぶり
そんな妄想に耽っていました