風のささやき

舌を出し雪待ち受けて食べた子が甘いと笑う手は冷たくも

雪が降った日のこと
買い物に外に出ると子供が
舌を出して雪を食べようとしていました

面白いのでその様子を眺めていると
雪がうまく舌の上に溶けて無くなると
甘いと顔を綻ばせます

雪に味は無いのでしょうが
きっと空から降る珍しい食べ物は
本当に甘く感じられるのでしょう

体が冷えて
つないだ小さな手は
冷たくなっていたのですが
子供はしばらくの間
雪降る空に舌を出したままでした