風のささやき

母の母その手の編んだ膝掛に母の子の子は包まれ眠る

寒くなって来たので
祖母が随分昔に僕のために編んでくれた
膝掛けを赤ん坊用にと出してきました

祖母が80を優に過ぎてから
作ってくれたもののはずですが
細かい作業の複雑な網目のせいか
ほころびも無く十分に使えるものです

その祖母も母の後に亡くなり
結局二人には自分の子供たちの姿を
生前に見せることができませんでした

何も分からずにその膝掛けに
包まれて安らかに眠る子供

いつか子供たちがもう少し大きくなって
物事が分かるようになったら
自分の祖母の話も
教えてあげたいなと思います