風のささやき

笹の葉に切れた指先一文字赤き血捧ぐ無垢の山肌

友人と高原の温泉に出かけた際に
近くの道を散策しました

標高1800メートルの場所ということで
空気も澄んでいます

道には熊笹がたくさんあったので
一枚それをもらおうと手を伸ばすと
思った以上の抵抗にあい

指先を一文字に切ってしまいました
そうしてそこからにじみ出る赤い血
予期していない痛みにハッとした自分

ほんとうは人の入ってはいけない場所に
足を踏み入れたその報いに
自分の血を捧げものに求められた気がして
滲みだす血を眺めていました