風のささやき

蝉の声じっと聞き入る子は重く新しき知恵染み込ませおり

公園で子供を遊ばせていました
木が生い茂って遊具の上に日陰を作り
たくさんの蝉も鳴いています

僕は駄々をこねて騒いでいた子供を抱き上げ
気をそらせるために
ほら蝉が鳴いているよと耳元に話かけました

すると子供は急に静かになって
蝉の声にじっと聞き入っていました
その真剣な眼差しを僕は覗き込んでいたのですが

また一つ新しいものを
自分の中に取り込もうとしているようです

その分また子供の体が重くなったように感じて
僕は腕に力を込めました