風のささやき

冬の夕何か悔しい赤さなの家の明かりが恋しくなる僕

その日の夕方は
ひときわ夕日が赤く
とても悔しいことでもあって
泣きぬれているかのようでした

その夕日の中を静かに歩いていたら
いつしか自分にその夕日が染み付いて
淡い悲しみが胸に広がっていくようでした

僕は足を速めました
まるでその夕日から逃げるかのように
明かりのついた家々の窓辺を眺めながら

僕も自分の帰る家に
早く辿り着きたいと思っていました